2025年12月25日
第64回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式
総裁 秋篠宮皇嗣殿下のお言葉
令和7年11月6日(木)開催

お言葉を述べられる総裁 秋篠宮皇嗣殿下
本日、「第64回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事」の賞状伝達贈呈式が、受賞者をはじめ、多くの協賛者および関係者を迎えて開催できましたことを、誠に喜ばしく思います。このたび各賞を受賞される皆さまに心よりお慶びを申し上げます。
本年は、今月23日に開催される農林水産祭において、本会推薦の中から天皇杯と日本農林漁業振興会会長賞が1件ずつ授与されます。対象となった方々に重ねてお祝いを申し上げます。
大日本山林会は、林業の改良ならびに進歩を目的として1882年、明治15年に創立され、長きにわたり、数々の事業を展開してまいりました。中でも本推奨行事は、大日本山林会最大の事業で、1962年に始まって以来、今年で64回を数え、受賞者は2,410名に達しており、その歴史に深い感慨を覚えます。また、受賞者の林業経営を視察する現地研修会を通じて、各地の事例を学ぶ機会が設けられるなど、本推奨行事は林業の振興にさまざまな形で寄与しております。
さて、近年の気候変動等に由来する気象の変化などの状況の下、林業は森林の維持・培養を通じて、国土の保全や水源の涵養、木材の生産など、国民の生活や経済にとって大切な役割を果たしております。また森林は、地球温暖化に関わる二酸化炭素の吸収源であり、生物の多様性を維持する場でもあります。そのことからも、持続可能な森林管理への要請が世界的に高まってきております。
わが国の森林は、戦後に造林された人工林を中心に本格的な利活用期を迎えております。森林資源を循環的に活用し、産業を持続的に発展させることが重要な課題であり、森林経営管理制度や林業技能検定が導入されております。
このような中で、本推奨行事を通じた林業の振興や、本会の機関誌『山林』などを通じた情報発信は、極めて大切なことと申せましょう。
おわりに、本日表彰を受けられる方々をはじめ、日頃からそれぞれの地域において林業の再生や森づくりに力を尽くしておられる皆さまに敬意を表するとともに、皆さまの活動がさらに発展していかれることを祈念し、本式典に寄せる言葉といたします。