第60回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式  総裁 秋篠宮皇嗣殿下のお言葉

2022年4月27日

第 60 回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式
総裁 秋篠宮皇嗣殿下のお言葉

令和4年3月8日(火)

お言葉を述べられる総裁 秋篠宮皇嗣殿下

  本日、「第60回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事」の賞状伝達贈呈式が、2年ぶりに開催され、各賞の代表の方々をお迎えすることができましたことを誠に嬉しく思います。また、本年はCOVID-19の感染が未だ収まっていないため、全国各地の受賞者の皆様には、動画を通じて本式典の様子を視聴いただいております。この度各賞を受賞される皆様に心よりお慶びを申し上げます。

  大日本山林会は、林業の改良ならびに進歩を目的として1882年に創立され、140年の長きに亘り、数々の事業を展開してまいりました。その中でも特筆すべき事績として、まず「愛林日」行事を挙げることができます。これは1934年からの10年間、本会主導のもとに開催され、今日の「全国植樹祭」、そして「全国育樹祭」に引き継がれているものです。

  また、本会の大切な事績として、1882年から継続中の月刊誌「山林」の発行があります。本年3月で1,654号となった「山林」には数多くの提言が掲載されており、そのすべての記事が本会のホームページで公開されています。創刊以来蓄積されてきた本誌のアーカイブとしての重要性は、今後ますます高まっていくものと考えます。

  さて、1962年の第1回開催以来、今年で60回を数える本推奨行事は、大日本山林会最大の事業であり、我が国の林業の振興にさまざまな形で寄与してまいりました。受賞者はすでに2,301名に達しており、深い感慨を覚えます。

  林業は、森林の維持・培養を通じて、国土の保全や水源の涵養、木材の生産など、国民の生活や経済にとって大切な役割を果たしています。さらに近年は、地球温暖化の防止や生物多様性の保全などの面からも、持続可能な森林管理への社会的要請が一層高まってきております。現在の我が国の森林は、これまでの先人の努力により、戦後造林された人工林を中心に本格的な利活用期を迎えています。この国内の豊富な森林資源を循環的に利用し、森林と林業、そして木材産業を持続的に成長発展させていくことが重要な課題となっております。

  そのような状況のもと、本推奨行事が林業の振興に貢献するとともに、本会が今申しました森林・林業・木材産業の重要性を、社会に積極的に発信していくことは極めて大切なことでありましょう。

  終わりに、本日表彰を受けられる方々をはじめ、日頃からそれぞれの地域において林業の再生や森づくりに力を尽くしておられる皆様に敬意を表するとともに、皆様の活動がさらに発展していかれることを祈念し、本式典に寄せる言葉といたします。