第58回全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式 総裁 秋篠宮皇嗣殿下のお言葉

2019年12月4日

         第58回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事賞状伝達贈呈式
                総裁 秋篠宮皇嗣殿下のお言葉

令和元年11月8日(金) 

お言葉を述べられる総裁 秋篠宮皇嗣殿下

 はじめに,このたびの台風ならびに豪雨により,林野関係においても,広い範囲にわたっての被害が報告されております。ここに,心からのお見舞いを申し上げます。

 本日,「第58回農林水産祭参加全国林業経営推奨行事」の賞状伝達贈呈式が,全国各地から多くの受賞者を迎えて開催され,皆様にお会いできましたことを,大変嬉しく思います。

 大日本山林会は,林業の改良ならびに進歩を目的として,明治15年に創立され,林業の振興のため,数々の事業を展開してまいりました。その中でも特筆すべき事績として,まず「愛林日」行事を挙げることができます。これは昭和9年からの10年間,本会主導のもとに開催され,今日の「全国植樹祭」,そして「全国育樹祭」に引き継がれているものです。

 次に,神宮の宮域林における造林奉仕事業があります。昭和27年から昭和56年まで行われたもので,造林奉仕事業における総参加人員は1万人を超え,植栽面積は550ha,植えた樹木は165万本に達します。昨年,私はこの宮域林を視察し,式年遷宮のために育てられている檜と造林奉仕記念の碑を見てまいりました。将来の式年遷宮において,これらの檜が御造営用材として使われることを願っております。

 さらに,本会における大切な事績として,明治15年から継続中の月刊誌『山林』の発行があります。本年11月で1626号となった『山林』には,数多の提言が掲載されており,そのすべての記事は,本会のホームページで公開されています。135年以上に亘って継続されている本誌のアーカイブとしての重要性は,今後ますます高まっていくものと考えます。

 さて,本推奨行事は,大日本山林会の最大の事業であり,昭和37年の第1回開催以来,本年で58回を数え,受賞者はすでに2,217名に達していると聞き,深い感慨を覚えます。
 林業は,森林の維持・培養をつうじて,国土の保全や水源の涵養,木材の生産など,国民の生活や経済にとって大切な役割を果たしています。また,近年は,地球温暖化の防止,生物多様性の保全などの面から,持続可能な森林管理への社会的要請が一層高まってきております。現在の我が国の森林は,これまでの先人の努力により,戦後造林された人工林を中心に本格的な利活用期を迎えており,国内の豊富な森林資源を循環利用することが重要な課題となっています。そのような状況のもと,本推奨行事が林業の振興に貢献するとともに,本会が社会に積極的に発信していくことは極めて大切なことであると考えます。

 終わりに,本日表彰を受けられる方々をはじめ,日頃からそれぞれの地域において林業の再生・森づくりに力を尽くしている方々に敬意を表するとともに,皆様の活動がさらに発展していかれることを祈念し,本式典に寄せる言葉といたします。